Creator’s note | 時任 海斗 「心の中の居場所」

Creator’s note | 時任 海斗 「心の中の居場所」


こんにちは、画家の時任海斗です。今回で5度目となるFEELSEEN GINZAでの個展を迎えさせていただくことになりました。

私の絵には、自然の中に佇む動物や人のような存在がよく登場します。その表現の奥には、ある静かな記憶が息づいています。

私は大学生の頃、アメリカのワシントン州タコマという町に、半年ほど留学していました。あのコンビニでもよく見かけるコーヒーのブランド「マウントレーニア(通称タコマ富士)」の由来となった山がある場所で、シアトルから電車とバスを乗り継いで1時間半ほどのところにある田舎町です。


ある日の夜、友人とたわいもない話をしながら、静かな住宅街を歩いていました。ふと視線を上げたそのとき、民家の庭先に一頭の鹿が立っているのが目に入ったのです。

その鹿と目が合った瞬間、世界の時間がピタリと止まったような、不思議な感覚に包まれました。

 

Tacoma, Washington 


あれから長い時間が経ちました。当時の風景の細部は少しずつぼやけ、曖昧になっていきましたが、あの暗闇のなかで出会った鹿は、いまも私の中でぽんやりと温かい光を放ち続けています。それはまるで、心の中の大切なお守りのような空間です。私はその内面的な空間をそっと広げていくように、日々キャンバスに向き合っています。

この極めて個人的な体験から生まれた絵が、現実世界に存在することで、誰かの「内面的な居場所」になれたら。そんな願いを込めて制作をしています。


ご来場いただいた方の心の中に、ぴったりと収まる風景との出会いがあれば嬉しいです。

 


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時任海斗 個展「Shovel & Hole」
2026年6月19日(金)~7月5日(日)

 

目の前の世界が異なる相を見せ始め、
様々な形をしたいつくもの動きが、
同じ方向へ重なっている。

そして皆が光源に向かって
シャベルを握っている。


FEELSEEN GINZA 4F ギャラリー
2026/6/19(金) - 7/5(日)
12:00 - 19:00
月曜定休
@feelseen.ginza

在廊日
6/19(金)、6/20(土)、6/21(日)
各日 13:00 - 18:00
※在廊日、時間は予告無しに変更になる場合がありますのでご了承ください。


・ワークショップ開催 
6月21日(日) 正解のない絵画教室 ZINE編 -参加募集中 -
誰でも作品が描けるようになるドローイングクラスです。描いた作品を冊子にまとめて、世界にひとつだけのZINEを作ります。

詳細・お申込みはこちら 



時任海斗 / Kaito Tokito @kaito_tokito
福岡出身、兵庫県在住の画家。
木村創作室で絵を学び、2019年より制作を開始。
2022年に初の個展「発光体のゆくえ」をFEELSEEN KOBE、FEELSEEN GINZA、POETRY READING(博多)で開催。
以降、各地で個展を中心に展示活動を行う。
SHIBUYA AWARDS 2024 小山登美夫賞受賞。


-Archive-

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前編  |  後編

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